先輩からのメッセージ
廣岡 大亮
『凌霜会と私』
法学部 廣岡 大亮
(神戸大学学生連合 六甲台学生評議会 初代代表)

 『社団法人 凌霜会』―。私の学生生活を語る上で、凌霜会は欠かせない存在です。特に2006年度の一年間、凌霜会との関わりはとても深いものでした。以下、その一年を振り返りながら、表題のとおり、凌霜会と私について述べさせていただきたいと思います。

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、神戸大学の法・経済・経営学部には、昔、自治会という組織がありました。しかし、いつの間にかその組織は有名無実となり、ここ数年は各学部のゼミ幹事会がその流れを汲む組織として活動してきました。ゼミ幹事を務める学生らが学部ごとに自主的に集まり、就活セミナーやゼミオリエンテーション、謝恩会を企画・運営してきました。しかし、われわれはこの現状に満足することができませんでした。神戸大学をもっと活性化させたいとの思い、そして、このゼミ幹事会を基盤に、より価値を創造し続けることができる組織づくりを追求したいとの思いを抱きました。このような在学生を統括し、学生の立場から大学を支える学生組織をつくるのだという決意の下、2006年4月1日、神戸大学学生連合 六甲台学生評議会(B.E.L. STUDENT COUNCIL)を設立するに至りました。

本団体活動に際しては、凌霜会から多大なるご支援を頂きました。2006年度にご支援を頂いて我々が手がけた行事は、各学部新入準会員歓迎会(新入生歓迎会)・新任ゼミ幹事歓迎会・夏期インターンシップセミナー・各種講演会・第1回神戸大学七夕祭・第1回神戸大学ホームカミングデイ・各学部ゼミオリエンテーション・就職活動セミナー・Christmas Party『wish…』・平成18年度卒業謝恩会等々、多岐にわたります。行事の規模も参加者数十名から数百名に至るまでさまざまで、ニーズが多様化する現状にも十分対応できた一年だったと思います。特に、第1回神戸大学ホームカミングデイでは、在学生・卒業生・大学教職員という三者が一体となってお互いの考えを理解しあいながら取り組み、成果を上げた顕著な例であると思います。このような行事への取り組みを通し、私は本団体代表として、そして、凌霜会準会員の代表として、凌霜会の諸先輩方との繋がりを持ち、在校生・卒業生・大学教職員・地域住民の方々という神戸大学のステークホルダー全員が繋がる基盤を構築することを目指しました。その中で感じたことは、凌霜会の懐の深さでした。時には、温かく見守る親のような存在であり、時には、共に悩み、取り組んでくれる親友のような存在であり、また、物事について深く考えるきっかけを与えてくださる先輩のような存在でした。では、どうしてこのようなさまざまな顔を凌霜会は持っているのか。それは、凌霜会には数万人にも及ぶ各方面でご活躍なさっている大先輩の方々がいらっしゃるからです。在学生にとっては、同窓会組織の必要性や重要性を身に浸みて感じるようになるのはおそらく卒業後数年経ってからのことで、在学中にはあまり感じることのないことだと思います。けれども、諸先輩方には温かい目で見守っていただき、ご協力いただきたく思う次第です。しかしながら、在学生はこのようなことに甘んじることなく、在学生には偉大な先輩方がいらっしゃり、また、数々の恩恵を受けていることに感謝し、学生生活をより充実させる努力を怠ってはならないと思います。

私は本団体の活動を通し、今年一年で満足とはいきませんが、一定の成果を残せたと思います。準会員の存在の基盤づくりにも協力させていただくことができ、また、凌霜会の存在を在学生に以前にも増して認知してもらうことができたと思います。そして、何よりも在学生と卒業生の方々との繋がりの基盤づくりができたと考えています。後輩の準会員諸君には、常に現状に甘んじることなく、終わりなき挑戦を続けていって欲しいと思います。今後より一層、準会員である在学生と会員の卒業生との繋がりが深いものとなることを願っています。また、このような縦の繋がりだけでなく、同学年という横の繋がりも深いものとなるような関係性を構築し、凌霜会の設立趣旨に基づき、さらに凌霜会が発展していくことを祈念しております。

凌霜会のさらなる発展を見据えた際、今後なすべきことを私なりに考えてみました。在学生に対しては、彼らに凌霜会の存在を明確に認知させることが必要であると考えます。そして、凌霜会から在学生のニーズに応じたサポートを目に見える形で発信し続けることです。結果、準会員数および正会員数の増加が達成されると考えます。そのお手伝いを本団体がさせていただければと思っています。卒業生に対しては、凌霜会の会員ネットワークの整備・構築・活用が必要であると考えます。時代を反映するかのように卒業生のニーズが多様化している今、凌霜会に潜在する力を示す絶好の機会です。凌霜会は人材の宝庫です。これは、多種多様なニーズに対応できる人材が揃っていることを意味します。会員ネットワークが整備されれば、そのネットワークを介し、社会に存在する適合可能なニーズとニーズが結びつく可能性があります。凌霜会は、このニーズ同士が出会い化学反応を起こすことに助力する、言わば“触媒”たる存在を目指すべきです。凌霜会が備える人脈を基に、ニーズとニーズの出会いを創造する。これによって、凌霜会は想像を超える価値を社会に提供することができると考えます。

最後になりましたが、この場をお借りし、お世話になった関係者の皆々様にはお礼申し上げます。そして、今後は一人の凌霜会員として、わが母校『神戸大学』と『凌霜会』の発展に微力ながらも尽力していく所存です。

2007年3月
廣岡 大亮