12月13日(水) 神戸凌霜午餐会第1515回例会 2017年12月13日

DSC08771.JPG神戸凌霜午餐会第1515回例会 

日時:平成29年12月13日(水)12時~14時

場所:湊川神社「楠公会館」2F 青雲の間

神戸市中央区多聞通3-1-1

TEL:078-371-0005

講師:神戸大学名誉教授        岡部 孝好 氏

演題:「神戸高商と神戸商大のビジネス教育とその人づくり」

神戸大学のルーツ、神戸高商が開校されたのは、115年前の明治35(1902)年です。その神戸高商は昭和4(1929)年に念願の神戸商大への昇格を果たし、東京商大(現一橋大学)、大阪商大(現大阪市立大学)とともに、日本に三商大時代を築きました。第二次大戦中に一時的に神戸経大へと改称しましたが、戦後には大学組織そのものを抜本的に組み替えて、昭和24(1949)年に新制神戸大学として再出発しました。

開校時における神戸高商の学問の主軸は、簿記・会計学でした。それから商学、経済学、経営学へとつぎつぎに間口を拡げただけでなく、それぞれ学術水準を高度化し、帝国大学に匹敵する高度の研究教育体制を整えました。経済ビジネス系の日本のトップ・スクールとして神戸高商・神戸商大が高く評価されるようになったのは、戦前期におけるその先進的で旺盛な研究教育活動によるものです。

神戸高商・神戸商大におけるビジネス教育は、実践性を強調する点において帝国大学と著しく違っていました。また日本伝来の「士魂」とか「気概」を活かそうとしたのも、神戸高商・神戸商大の学風だといえます。神戸高商・神戸商大は、実学指向のビジネス教育を展開する一方で、逆境にも挫けない頑強な人づくりを目指していたのです。

神戸高商・神戸商大の発展のうち簿記・会計学にかんする側面は、岡部孝好著『神戸高商と神戸商大の会計学徒たち』(神戸新聞総合出版センター、2017年)で詳しく論じられています。この講演ではすこし趣きを変えて、ビジネス教育全般に視野を拡げたうえで、その人づくりにも目を向けます。神戸高商・神戸商大の活力の源がどこにあったのかを探り、神戸大学のビジネス教育の将来のあり方を考えてみたいと思います。

 

 講師のプロフィール

1942年大分県生れ、神戸大学経営学部卒、神戸大学大学院経営学研究科(修士)修了。関西大学商学部教授を経て神戸大学大学院教授。経営学博士。専門は簿記、会計学、情報会計、財務分析など。著書に『会計情報システム選択論(増補)』(中央経済社)、『会計報告の理論』(森山書店)、『最新会計学のコア』(森山書店)など。

 聴講申し込み・お問い合わせ先:一般社団法人 凌霜会 電話078(805)3833・3834へ